先日の記事でストレッチによる効果やどういった原理で柔軟性が高まるのかについて紹介しました。
今回の記事からは実際にどういったストレッチをすればいいのかについて書いていきます。
そして、その第一回目は足首の可動域を確保するための柔軟性についてです。
近年、和式トイレを使用しなくなったなど生活様式の変化に伴い、足首が硬くなっているといわれしゃがむのが苦手な方が増えています。足首が硬く、可動域が狭いことでどういった弊害があるのか、またどのようにすれば足首の可動域を増やせるか見ていきましょう。
この記事でわかること
- 足首の筋骨格について
- 足首の動き
- 足首の可動域
- 足首周りのストレッチ
足首の筋骨格と可動域
まずは足首の構造について簡単に触れておきましょう。
足首の関節と関節をつくる骨
一般的に足首として認識されている部位をつくるのは、脛といわれる脛骨と腓骨そして距骨の3つ。そしてその足首いわゆる足関節として構成する関節は、脛にある脛骨と腓骨からなる遠位脛腓関節、脛骨と腓骨と距骨の3つからなる距腿関節と、距骨の下にある距骨化関節の2つの関節により足首とされる足関節となります。
足首に関与する筋肉
次に足首に関わる大きな筋肉を2つ紹介します。
足首(今回はしゃがみやすくするというテーマで話を進めます)に関与する筋肉はこの2つ。腓腹筋とヒラメ筋。
ちなみにこれらを総称して下腿三頭筋(腓腹筋の内側頭と外側、ヒラメ筋で3つあるため下腿「三頭」筋と呼ばれます)と呼びます。
腓腹筋とヒラメ筋の作用や起始停止をみていきます。
腓腹筋
起始:内側【大腿骨内側顆の後面】外側頭【大腿骨外側顆の後面】
停止:アキレス腱を経て踵骨後部の踵骨隆起
作用:足関節の底屈、膝関節の屈曲
ヒラメ筋
起始:脛骨と腓骨の後面上部1/3
停止:アキレス腱によって踵骨後部の踵骨隆起
作用:足関節の底屈
足首の動きと可動域
足首がどういった動きができるのかみていきます。
足首の動きと可動域は画像にあるように
【距腿関節】
・外転:0-10
・内転:0-20
【距骨下関節】
・背屈:0-20
・底屈:0-45
・内がえし:0-30
・外がえし:0-20
このようになっています。
足首のストレッチ
実際に足首のストレッチの仕方をみていきましょう。
足首のストレッチで伸ばしていくのは先の書いた腓腹筋とヒラメ筋になります。
この2つを伸ばすことで、筋肉の柔軟性がネックになってしゃがめなかった方などは改善される可能性があります。
腓腹筋のストレッチ
まず最初に腓腹筋のストレッチを紹介します。
体育などでよく見かけるストレッチではないでしょうか。「アキレス腱伸ばしまーす」といった掛け声とともにやったことのある方も多いのでは?
【実施方法】
①壁に前傾姿勢で体重を預ける
②伸ばしたい足を後方へ伸ばす
③後方へ伸ばした脚は膝をしっかりと伸展させる
④足底が地面から離れないように留意しながら、壁を強く押しふくらはぎのストレッチを感じる
ヒラメ筋のストレッチ
次にヒラメ筋のストレッチです。
先ほどのストレッチとほぼ同じ動きのため詳細は割愛します。大きく違うのは伸ばしたい方の脚の膝を先ほどは完全に伸展していたのを、今度は軽度に屈曲させた状態で実施します。
これはヒラメ筋が足関節のみをまたいで付着していることが大きく関係します。ストレッチは筋肉の起始と停止を引き離す作業です。今回でいうなら脛骨腓骨と踵骨の距離を離すようにすることで伸びますよね。一方、腓腹筋は足関節だけではなく膝関節もまたいでいます。そのため、膝を曲げることで起始停止の距離が近づき緩むため、ここで紹介したストレッチのようにすることでヒラメ筋だけ集中して伸ばせるようになるのです。
フォームローラーも併用すると効果大
以前紹介したようにフォームローラーを使用することでも、筋肉は可動域を改善します。併用することでさらにしっかりとストレッチされるのでおすすめです。
上に載せたフォームローラーの使い方も実践してみましょう。
足首を良く動く状態にして高いパフォーマンスを
しゃがむ動作が快適になるのはもちろん、足首周りの筋肉を酷使するスポーツ(剣道やフェンシングなど)でもケアとして今回紹介したようなストレッチやフォームローラーの使い方を実践してみましょう。
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