前々回の記事で「マラソンランナーの方もトレーニングをするといいよ!」といった内容を書きました。
今回の記事では実際にどのようなトレーニングをすればいいかについて、書いていこうと思います。
ランナーのトレーニング
ランナーのトレーニングでカギになるのは
1.体幹
2.最大筋力
3.爆発的筋力
この3点です。
今回は3点の中でも「体幹」について解説していきます。
体幹
体幹とは「腕や脚の四肢を除く部位」を指していますが、一般の方のイメージとしては胴体をイメージしていただければいいかなと思います。
体幹が鍛えられていないことでどういうことが起こるか説明していきます。皆さん上の画像にある釘をイメージしてください。この釘が仮にふにゃふにゃに柔らかかったらどうなるでしょうか。
おそらく、釘の頭をトンカチで打ち付けたら下の板に刺さることなく、グニャリと形をひしゃげさせ折れてしまうことでしょう。
なぜ釘を上から打って、下に刺さるかといえば釘自身に十分な剛性があり上からの力を余すこhとなく伝えられるからです。
我々が走ったり跳んだりできるのは、地面に対して力を与えてその反発を受けることによるものです。これが先ほどの柔らかい釘のように体幹に十分な剛性がないと上手に力を伝えられないことによって運動の効率が下がってしまうと考えられます。
基本はバーベルなどを使用したトレーニングを推奨していますが、体幹が貧弱ではトレーニングでせっかく鍛えて向上した出力も上手に伝達できず活かしきれません。
体幹トレーニングの種類
体幹トレーニングというと一般的には上の動画にあるようなプランクなをイメージすることが多いのではないでしょうか。
もちろん、このプランクもいわゆる体幹トレーニングの一種に間違いありません。ですが、体幹トレーニングといってもこれだけではなくほかにも様々なエクササイズがあります。
- Anterior Core:腰を丸める方向へ力を発揮するエクササイズ
- Posterior Core:腰をそらす方向へ力を発揮するエクササイズ
- Lateral Core:腰を横方向へ曲げるように力を発揮するエクササイズ
- Rotational Core:腰を水平にひねる方向へ力を発揮するエクササイズ
大まかに体幹といってもこれだけの作用を持っており、それぞれしっかりと鍛えた上げる必要があります。
さらに細かく分類すると
- STRENGTH:筋肉の収縮・伸長を伴うダイナミックなエクササイズ
- STABILITY:腰椎を外的な負荷から動揺を防いだり、動作はありながらもコントロールするエクササイズ
これらを表におこすと
Anterior Core | Posterior Core | Lateral Core | Rotational Core | |
STABILITY | プランク | バードドッグ | サイドプランク | チョップ |
STRENGTH | クランチ | バックエクステンション | サイドベント | ロシアンツイスト |
こんな感じに。
おそらく、多くの場合「体幹を鍛えよう!」いうと考えるのがプランクやサイドプランクなど動かずにこらえるようなトレーニングのものをイメージするかと思いますが、実際にはそれだけでは不十分です。
ダイナミックな体幹トレも大事
よくトレーニングの本などで体幹といえば、先ほどのスタビリティに分類されるプランクやサイドプランクです。
しかし、コンプでは当ジムではそれだけでは不十分と考え動きのあるダイナミックな体幹、すなわちストレングスエクササイズも併せて実施していただきます。
コンプではイメージとして
・スタビリティ=腰椎の動揺を起こさないようにする筋肉への力の発揮の仕方の学習
・ストレングス=筋肉を大きく強くする
このように分類しています。
つまり、スタビリティをすることで体幹の筋群が上手に腰椎周辺の動揺を抑えるように学習する。そしてストレングスでそれらの機能をさらにより強く大きな負荷にも耐えられるようにしてあげるということをします。
だから、コンプでは世間で実施されているようなスタビリティエクササイズだけではなく併せてストレングスエクササイズにも取り組んでいただくのです。
ベーシックなストレングストレーニングが最優先
体幹は大事ですが、まず大前提としてスクワットやデッドリフトなどのベーシックなストレングストレーニングが最優先であるということはお伝えしておきます。
なぜなら、少し考えればわかりますがそもそも走る競技において主な出力は脚が担っているからです。よく「体幹から力を発揮する~」などというもっともらしいことを述べる方もいますが素人目にも明らかに脚が使われていることは明白なはず。ランナーを見ればわかりますよね。マラソンを走り切ってお腹や腰が張って痛がっている人を見ますか?そんな人ほとんど見たことないはずです。
つまりそう考えれば脚を鍛えることが出力を最大化するために重要であることは明らかですね。
しかも、それらを鍛えるためにスクワットなどを行うことでついでに体幹もある程度鍛えられるのですから効率的。
まずはバックスクワットなどの基礎的なエクササイズを実施したうえで補強のようなイメージで体幹トレーニングは実施するといいと思います。