柔術のパフォーマンスアップにザーチャースクワットは必要か否か【仙台パーソナルジムトライフィットネス】

まずはこちらの動画をご覧ください。

この種目はザーチャースクワットと呼ばれるスクワットの1種。

あまり見慣れない種目かと思いますが、実はこのザーチャースクワットと呼ばれるスクワットが柔術をはじめ格闘家の間ではやっているのだとか。

先日、趣味で柔術を趣味でやっているお客様からも「柔術家の間でザーチャースクワットっていうスクワットが流行っているみたいで気になるから教えてくれない?」とご相談をいただきました。

せっかくなので、この機にザーチャースクワットについて記事を書いていこうと思います。

ザーチャースクワットとは

ザーチャースクワットは一言でいうなら「バーベルを肘関節で挟んで保持する簡易版フロントスクワット」とでもいいましょうか(めちゃくちゃざっくりな説明で申し訳ありません)。

スクワットの種類と効果の違い

スクワットには大きく以下のようなものがあります。
・ハイバーバックスクワット
・ローバーバックスクワット
・フロントスクワット
・オーバーヘッドスクワット
・ゾンビスクワット

細かく言うとスクワットというエクササイズはほかにもありますが、一般的に実施されるスクワットはこのようなものでしょうか。

これらのスクワットにおける大きな違いは重量物を担ぐ位置ということができます。

スクワット動作は「重量物を担ぎ、足関節や膝関節、股関節を連動させ屈曲させしゃがむ動作」と表現することができます。重量物を担ぐ位置を変化させることにより、重心が変化し各関節へかかるトルク(負荷の大きさと認識してください)が変化することを利用し、得られる効果により種目を使い分けていきます。

例えばローバーバックスクワットとハイバーバックスクワット。

Starting Strengthより

画像左がローバーバックスクワット。右がハイバーバックスクワット。

よくみるとバーベル(両画像の方の部分にある〇がそれ)を担いでいる部分が違うのが見えるでしょうか。よく見るとローバーバックスクワットの方がハイバーバックスクワットよりも低い位置に担いでいるのがわかるかと思います。

人間は重心の位置が支持基底面の中になければ立っていられません。支持基底面とは、体重を支えるために床と接している身体の底面や、その部分の面積のことを指しており、立位で実施されるスクワットの場合であれば足部と足部同士の間の空間のこと。

通常人間の重心位置は頭部や臀部など身体のパーツでも重い部位に左右されます。しかし、ことスクワットの場合には重量物の位置に大きく左右されることになります。

ローバーバックスクワットとハイバーバックスクワットの場合、ローバーバックスクワットはハイバーバックスクワットよりも重量物であるバーベルがより身体の後方下部へ位置します。これにより重心も後方へ偏り、直立でいようとすると後ろへ倒れそうになります。そのため、重心を支持基底面中央へもっていくためローバーバックスクワットはハイバーバックスクワットよりも骨盤を大きく前傾させ(股関節の屈曲が強くでる)対して膝関節の屈曲は小さくなります。

ハイバーバックスクワットスクワットよりもローバーバックスクワットは股関節の屈曲が強く、膝関節の屈曲が小さくなることにより、股関節伸展筋群をメインに使うようになります。

ザーチャースクワットの効果

スクワットの担ぐ位置の違いにより、どういった効果の違いが出るか見ていただきました。

では、上半身前方に肘関節にバーベルを担ぐ形で実施されるザーチャースクワットの場合はどういった効果が得られるのでしょうか。

ザーチャースクワットにより得られる効果
①腰背部の強化
②大腿四頭筋の強化

上記2つの効果が期待できます。

ザーチャースクワットは上半身の前方に肘関節にバーベルを載せた状態で動作します。つまり重心の位置は先に紹介したバックスクワット2種類と比べて重心位置が前方にきます。するとバックスクワット2種類よりも上半身を起こして、つまり股関節をあまり屈曲させず、膝関節を積極的に使用してしゃがんでいくことに。

これにより、ザーチャースクワットでは膝伸展筋である大腿四頭筋に強く刺激が入ることに。

柔術のパフォーマンスアップにザーチャースクワットは有効か?

結論、柔術にパフォーマンスアップにザーチャースクワットは必要ない(暇ならやればいいというくらい)と考えます。

柔術は下半身を強化することも重要です。しかし、その点でザーチャースクワットを導入するのは非効率。

ザーチャースクワットは動作から想像できるように肘にバーベルを載せるためめちゃくちゃ腕が痛くなります。そのため挙上重量を伸ばしていくのがやりにくいのでおすすめできません。

であるならば、同様の効果が得たい場合はフロントスクワットの方が技術的な難易度は上がりますが長期的にはザーチャースクワットの方が効果的であると考えます。

柔術のトレーニングに関する記事は下記記事でも触れていますのでぜひご覧ください。