筋トレ効果を無駄にしないセット数とレップ数

筋トレをはじめたもののどんな種目をどのくらいの量を実施すればいいかわからない。

YouTubeなどで探すと「筋肥大のためには高レップでねちねち筋疲労をためるようにするべき」とか「しっかりと高重量を扱って低レップでやるべき」などなど。まるで正反対のことが書いてあることも少なくなく、初心者の方にとっては一体どうしたらいいのかわかりませんよね。

そこで本記事では筋トレを始めたばかりの頃に行うべきセット数とレップ数について解説していきます。

この記事でわかること

  • トレーニングのセット数やレップ数をどのくらいにすればいいか理解できる
  • 効率的なトレーニングのプログラムデザイン

筋トレ効果を無駄にしないセット数とレップ数

以前は筋トレで筋肥大効果を出すためには「ハイレップで筋肉がパンパンに張った状態にまで軽い重量でねちねち追い込む必要がある」であったり「高重量で鍛える必要がある」などといったことが言われていました。

しかし、現代のスポーツ科学では
・筋肥大効果は負荷の大きさに決まらない
・扱う総負荷量が同じであれば筋肥大効果は同じ
このようにいわれています。

ニューヨーク州立大学のSchoenfeldらは、これまでに報告された21の研究結果をもとに異なるトレーニング強度(低強度 vs 高強度)が筋肥大と筋力向上の効果に与える影響について解析したメタアナリシスを報告しました。

このメタアナリシスによると、低負荷でも高負荷でも疲労困憊になるまで追い込んだ場合には筋肥大効果は同様にみられる。また、最大筋力については高負荷でのトレーニングを実施した方が優位に向上することがわかりました。

参考:Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysisBrad J Schoenfeld

これらの研究により、トレーニングは強度が筋トレ効果を決めるのではなく総負荷量が影響するということがいわれるようになりました。

ちなみに総負荷量とは「総負荷量 = 強度(重量) × 回数 × セット数」のこと。

これらのことを考えるとセット数・レップ数ともに最大筋力向上を望まない場合にはどのような形でもよく、セット数やレップ数に関わらずとにかく限界まで追い込めればいいようにも感じますが実際はどうなのでしょう。

効果的なセット数

先程の研究では筋肉を限界まで追い込めれば効果は同じとのことでしたが、セット数についてはどうでしょうか。

1週間に5セット、10セット、15セット、20セットを行うグループに分け、24週間のトレーニングの実施による筋肥大の効果が検証される実験がありました。

これによると上腕二頭筋上腕三頭筋、大胸筋、大腿四頭筋、および大殿筋のすべてのグループで筋肥大の効果が認められました。そして驚きなのが5セットと10セット実施したグループが15セットや20セット実施したグループよりも筋肥大効果が大きかったという結果になったのです。

これをふまえると1週間当たりに実施するセット数は5~10セット未満。1回のトレーニングでは3セット前後に設定するのがいいのではないかと思われます。

実際にトライフィットネスでトレーニング指導する際には1種目/1セッションにつき3~4セット程度でセットを組むことが多いです。

効果的なレップ数

レップ数に関わらず総負荷量が同じであれば筋肥大効果は変わらないということでしたが、個人的にはレップ数は「6~12回前後」が最適ではないかなと考えています。

私のレップ数のコントロールの仕方は下記の通り
・6レップ→重量アップしたばかりの際に慣らすため
・8レップ→多関節種目で実施
・10レップ→多関節種目で最終セットに実施して、次回重量アップするか否かの判断に。単関節種目で重量アップしたばかりの時に。
・12レップ→単関節種目で雑にならないように丁寧に実施したいとき

上記のような形でレップ数をコントロールして使い分けるようにしています。

もちろん筋肥大の面でいうなら、先に記述したレップ数以外を用いても問題ありません。ですが、実際に自分で指導していても自分自身トレーニングしていても、先のレップ数よりも少ないレップ数では高重量を毎セット扱うためにインターバルを非常に長くとる必要が出て時間がかかりすぎるのと、反対にレップ数を多くすると1セットが非常に長く精神的な負担が多いように感じます。

それとせっかく同じように筋肥大効果を得られるなら、併せて筋力向上も得られるように設定するのがいいのでは?と考えて先ほどのレップ数としています。

具体的なレップ数とセット数の使い分け

実際にプログラムデザインする際の一例をご紹介しますので、ご自身でトレーニングプログラムを作成している方はぜひ参考にしてみてください。

・バックスクワット 8レップ×4セット

・ルーマニアンデッドリフト 8レップ×4セット
・ベンチプレス 8レップ×4セット
・プルアップ 8レップ×4セット
・サイドレイズ 12レップ×3セット
・アームカール 12レップ×3セット

・キックバック 12レップ×3セット

いわゆる多関節種目であるスクワット~プルアップまでは高負荷を扱える種目であることを考慮し、8レップで。また、1種目で多くの筋肉を動員できる効率的な種目であることも加味して少し多めに4セット実施しています。

サイドレイズ~キックバックまでの単関節種目に関しては、小さな筋肉であまり高重量を扱いにくく、無理に高重量を扱うと反動などを使ってほかの筋肉でカバーしようとして、本来鍛えたい筋肉以外で挙げてしまう可能性がありそれでは本来の意味をなさないので軽めの重量でその分レップ数を多めに設定することで筋肉を追い込んでいくようにしています。また、単関節種目で刺激できる部位は多関節種目でもある程度刺激できているので、ここでは少なめのセット数に設定します。

今回の例はあくまでもパーソナルトレーニングの1時間という限られた時間の中で実施する場合ですので、もしもう少し時間があるならば、追加で1~2種目程度追加してもいいかもしれません。

一度はプロの指導を受けることをおすすめします

トレーニングの内容はマネできても、なかなか本当の動作を習得するのは1人では難しいものです。

実際に私も学生時代にトレーニング指導をトレーナーの方から受けたことがありましたが、同じような種目や動作をしていても効き方が段違いでした。

ぜひ、これから筋トレを習慣化したいとお考えの方や、これまでにジム通いが続かなかったという方は一度トライフィットネスのパーソナルトレーニングを受けてみてください。

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