ゴルフにおけるクラブヘッドスピードを高めるために重要な体力要素はどれか?具体的なトレーニングの内容まで解説していきます

「ドライバーの飛距離を伸ばしたい」
ここ数年、数年前のコロナの影響もあり若者の間でも人気の高くなっているスポーツのひとつに挙げられるのがゴルフではないでしょうか。当社クライアントの皆様の中でも、ここ数年でゴルフを始められた方が何人もいて身近なところでもゴルフ人気の高さを実感している次第です。
そこでクライアントの皆様からもご質問いただくのが「トレーニングでゴルフのパフォーマンスを上げられないか?」という質問です。
トレーニングで高められる能力のなかで、ゴルフに活かせるものはいくつもありますが中でも最も効果を実感しやすく「あえてトレーニングでなければ鍛えることが難しい能力」をひとつあげるとすればクラブのヘッドスピードの向上です。
ヘッドスピードが向上することでドライバーなどの飛距離が伸びるのはもちろん、そのほかの番手で打つときも、ヘッドスピードが上がる前よりも相対的に強度が下がることで、打球の精度が向上することなどがメリットとして挙げられます。
では、ヘッドスピードを高めるためには具体的にはどのような身体能力を高める必要があるのか。今回の記事ではどういった身体能力を鍛えることでヘッドスピードを高められ、その求められている能力を高めるためにおこなうべきトレーニングについて解説していきたいと思います。
ゴルフクラブヘッドスピードと身体能力の関係
ゴルフにおけるクラブヘッドスピード(CHS)と身体能力との関連性を、過去の複数の研究から統計的に統合し、あきらかにした研究を紹介します。
この研究で対象となった身体能力の項目は以下の6項目。
- 上半身・下半身の筋力
- パワー
- 柔軟性
- バランス
- 体格(身長・体重)
- 筋持久力
結果、クラブヘッドスピードを高めるうえで重要なのは
- 下半身パワー
- 上半身パワー
- 上半身の筋力
- 下半身の筋力
- ジャンプの高さ
- 体格(身長・体重)
一方で筋持久力やバランス、柔軟性などこれまで重要であるとされてきた項目については、ほとんど相関はなかったという結果になっています。
結論:下半身と上半身の筋力とパワーを鍛えよう
先ほど紹介した論文の結論からすると「全身のパワーと筋力を高めることがクラブのヘッドスピードにつながってくる」ということになります。
体格についてもある程度、筋力とパワーを高めようとすると体重は重くなる傾向にあることと、身長はそもそも意図して延ばすのはほぼ無理なのでここでは無視します。
さて、話しを筋力やパワーを高めるところに戻します。
筋力を高めるためにはある程度の筋量を蓄えておく必要があります。これは筋力は筋の横断面積(ざっくり筋肉の大きさと理解してください)に比例するからです。そして、さらに大きくした筋肉を強く動かせるようにする筋力を高める段階を踏んでいきます。
筋肉は賢くて動かした速度の中で力発揮できるようになっていきます。つまり、一般的なトレーニングでおこなうスクワットやデッドリフトのように「ゆっくり力強く動作する」エクササイズでは、そのゆっくりとした動作で大きな力を発揮できるような筋肉になっていくのです。
そのため、最終段階として大きくして力強く動ける筋肉にした後は、その筋力を爆発的に発揮できる状態にしていく必要があります。
流れをまとめると↓
筋肉を大きくしていく基礎作り
エクササイズ例:中~高レップでのスクワット
大きくした筋肉を大きな力を発揮できるようにしていく段階
エクササイズ例:低レップ高重量でのスクワット
強くした筋力をゆっくりではなく、爆発的に発揮できるようにしていく時期
エクササイズ例:ウエイトリフティング動作、メディシンボ―ル投げ、ジャンプなど
このようなステップを踏んで徐々にトレーニングでみにつけた身体能力を、より競技パフォーマンスへ還元できる状態へ仕上げていきます。実際にはこのように直線的に進めていくだけではなく、同時並行でそれぞれの能力を伸ばしていくようなプログラムの組み方もありますが今回は細かい説明は省きます。
期ごとのトレーニング例を紹介
それではここでは具体的に、期ごとのトレーニングプログラム例を紹介していきます。
筋肥大期のプログラム
筋肥大期のトレーニングプログラム。
- メディシンボ―ルスロー 5回×5セット
- ジャンプスクワット 5回×5セット
- バックスクワット 8回×3セット
- ルーマニアンデッドリフト 8回×3セット
- 荷重プッシュアップ 8回×3セット
- プルアップ 8回×3セット
- アブホイール 10回×3セット
筋肥大期ではありますが、簡単なプライオメトリクスやパワー系エクササイズとしてメディシンボ―ルスローやジャンプスクワットをいれていきます。ほかの一般的なスクワットなどのエクササイズは8回~10回で筋肉を疲労困憊に追い込めるくらいの回数と重さで設定します。
筋力期のプログラム
筋力期のトレーニングプログラムをみていきます。
- メディシンボ―ルツイストスロー 5回×5セット
- ブロードジャンプ 5回×5セット
- バックスクワット 5回×5セット
- ルーマニアンデッドリフト 8回×3セット
- ベンチプレス 5回×3セット
- プルアップ 10回×3セット
- アブホイール 10回×3セット
筋力期ではプライオメトリクスには捻る動作などを加えて競技特有な動きの中でも筋力やパワーを発揮できるようにしていきます。さらに、通常のトレーニングは挙上回数を筋肥大期に比べて減らすことで、挙上重量を高めて筋力向上させるようにしていきます。
パワー期のプログラム
パワー期のトレーニングプログラムをみていきます。
- メディシンボ―ルツイストスロー 5回×5セット
- ブロードジャンプ 5回×5セット
- ハングパワークリーン 3回×3セット
- バックスクワット 3回×5セット
- ルーマニアンデッドリフト 8回×3セット
- プライオプッシュ 3回×3セット
- プルアップ 10回×3セット
- アブホイール 10回×3セット
パワー期ではさらに挙上回数を減らしつつ、重量は挙げていくことで神経系の適応を促し、最大筋力を高めることができます。
トレーニングで身体能力を高めたら実践練習も忘れずに
「トレーニングをすると体が重くなる」
「トレーニングで力がついたけど感覚が変わって成績が落ちた」
競技選手がトレーニングしていると、よく聞こえてくるのが上のような言葉ではないでしょうか。じつはこれ、あながち間違ってもいないんです。
というのも、トレーニングで筋力やパワーが向上した状態になると、以前と比べて少ない力で同じ程度のパフォーマンスをできるようになるため感覚が変わります。例えば、これまで250ヤード飛ばすのに10割の力を必要としていたものが、トレーニングで力がつくことで8割の力で同じ程度の距離を飛ばすことができるようになったとします。すると、今までの感覚で打ってしまうと、イメージでは250ヤード飛ばしたはずなのに、それ以上に跳びすぎてかえってスコアを落とすことになりかねません。
高めた身体能力にあった感覚や技術を身につけなければ、感覚と身体能力のずれによって逆にパフォーマンスを低下させることも。そのためにもトレーニングしつつも、同時に練習もたくさん重ねて感覚などのずれを修正していく必要があるのです。
まとめ
今回の記事ではゴルフのクラブヘッドスピードを高めるために必要な身体能力について解説しました。基本は筋力やパワーを高めることが重要なようですので、ゴルフのパフォーマンスを高めたいならぜひ併せて筋トレも始めてみてはいかがでしょうか。
