運動前のストレッチはパフォーマンスを低下させる?ウォーミングアップでスタティックストレッチを取り入れることについて

「運動する前に筋肉を伸ばしておく」
トレーニングをはじめ強度の高い運動の前にストレッチをして筋肉を伸ばし柔軟性を高めておくことは、スポーツの世界では常識のように行われています。
しかし、じつはこのストレッチ。とくに反動等を用いずにじっくりと筋肉を伸ばすタイプのスタティックストレッチが一時的にパフォーマンスを低下させる可能性があることをご存じでしたか?
今回はスタティックストレッチがパフォーマンスに与える影響と、ウォーミングアップ時に実施するスタティックストレッチとの向き合い方について解説していきます。
スタティックストレッチとは
スタティックストレッチとは、反動をつかわずに目的の筋肉を丁寧にじわっと伸ばし、30秒から1分程度同じ姿勢を保持し続けていくストレッチの方法です。
主に筋肉の柔軟性を高めて関節可動域を広げる目的でおこなわれるエクササイズで、冒頭でも述べたようにウォーミングアップなどによくとりいれられています。
スタティックストレッチのメリット
スタティックストレッチをおこなうことでどのようなメリットがあるか確認していきましょう。
- 関節可動域の拡大
- リラックス効果
関節可動域の拡大
筋肉の硬さが原因で関節の可動域に制限が出ている場合、スタティックストレッチにより筋肉の柔軟性を高めることで可動域を拡大させることが可能となります。
関節可動域が広がることによって、ゴルフや野球などではスイングの角度が大きくなり遠心力をより大きくできるようになりスイングスピードが向上したり、体操競技であれば技のレパートリーが増えるなどの競技力にもつながってくる場合もあるため、関節可動域を高めるためにスタティックストレッチを定期的におこなうことは重要です。
リラックス効果
スタティックストレッチは筋肉をリラックスさせ緊張をほぐす作用があり、リラクゼーションとしても活用できます。トレーニングや練習後の筋肉が固まっている状態や、座り仕事などで同じ姿勢が続いた後などにスタティックストレッチをおこなうことで身体が軽くなり気分転換にもつながります。
運動前にスタティックストレッチをするデメリット
スタティックストレッチはほかの運動と比較すると、可動域改善効果やリラックス効果などうれしい効果が得られるわりにケガもしにくくメリットだらけのように感じますが、じつは運動前におこなうストレッチに関しては一部デメリットとなる場合があります。
Simic Lらの研究によれば「運動前にスタティックストレッチングをすると最大筋力5.4%、筋パワー1.9%、爆発的パフォーマンスを2.0%低下させる。ストレッチの時間が長くなればなるほどこの作用は大きくなる。」としており、運動前だからといってなんでもかんでもスタティックストレッチで筋肉を伸ばしていると、じつは逆にパフォーマンスを低下させる可能性があるので注意が必要です。
運動前にスタティックストレッチを取り入れたい場合
パフォーマンスを一時的に低下させる可能性があるとはいえ、スタティックストレッチには関節可動域を広げる効果が期待できるため動作で可動域によって制限があるという選手の場合は、ウォーミングアップの一環としてスタティックストレッチを入れるのは有効でしょう。
実は先ほどの論文には続きがあり「45秒以内のストレッチではストレッチによるパフォーマンスの低下は非常に小さくなる」ということもいわれているため、可動域を広げるべき部位があるならその部位に対してスタティックストレッチを45秒以内の範囲で伸ばしてあげるという使い方がいいでしょう。
また、特異的なウォーミングアップ(競技動作の練習など)によるウォーミングアップを挟むことで、スタティックストレッチによるパフォーマンス低下の作用も消滅します。
スタティックストレッチは特定の部位にのみ絞って実施し、頬化の部位はダイナミックストレッチや競技動作などの反復などでウォーミングアップをするようにするとスタティックストレッチによるパフォーマンス低下を防ぐことができます。
まとめ
スタティックストレッチは可動域改善などに効果的なエクササイズなため、ぜひ積極的におこなってほしいエクササイズのひとつです。デメリットこそあるものの、そのデメリットを打ち消す方法を知って上手に活用することでデメリットを感じることなく恩恵をうけることができます。ぜひ、今回の記事を参考にしてウォーミングアップにスタティックストレッチをとりいれましょう。
